スケジュールの遅れを取り戻せ!【リカバリ方法7選】
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こんにちは、めけです。
(@Meke_korepro)

いつもスケジュールが遅れる..って、あぁ!あっちのチームも大変!また残業続きの日々がやってくるのか..

落ち着いて。スケジュールの遅れに気付いたら考えるべきリカバリの思考手順があるよ。
プロジェクトを運営する中で最も問題として挙がりやすいのが「スケジュール遅延」。
原因は当初見積りの甘さだったり、メンバーのスキル不足だったり、判断ミスによる手戻りだったり、突発的な割り込み作業だったり..
いずれも未然に防止する為にプロセス改善が必要ですが、まずは目の前で発生しているスケジュール遅延をなんとかしましょう。
この記事では、スケジュール遅延が実際に発生してしまった時に考えたいリカバリ手順を、優先度が高い順にご紹介します。
スケジュール遅延を取り戻したい!
スケジュール遅延が発生してしまった時の対処方法を予め計画しておきたい!
もくじ
スケジュール遅延時に使えるリカバリ方法7選

スケジュール遅延時に使えるリカバリ方法は大きく次の7つになります。
- 遅延原因の排除
- 作業の効率化
- 代替手段の検討
- タスクの削減
- バッファの利用
- タスクの並列進行
- 資源(人、モノ)の追加
「スケジュールが遅れ始めた!」と感づいた時には先手先手で原因の洗い出しと対処を行うのが望ましいのは言うまでもありませんが、「もう手遅れかも..」と絶望感が漂い始めたとしても落ち着いて状況を整理してみましょう。
基本的には残業を含め新たなコストを追加するのは最後の手段とし、可能な限り現状の枠内で対応できるのが望ましいです。
それでは上記7つのリカバリ方法について順を追って確認してみましょう。
遅延原因の排除
「誰の目から見ても遅延の原因はあきらかだ!」という状況であれば、特定した原因を排除する為に行動を起こせば良いのですが、実際には「何が原因で遅れているのか良く分からない..」という状況がほとんどでしょう。
その場合、最も時間はかかりますが、最も効果が高いのがこの方法になります。

そんなの、当たり前じゃん!
そうです。当たり前なのです。
後述する方法の中には即効性のある方法も含まれてはいますが、現在取り組んでいるプロジェクトに限らず、他のプロジェクトや今後を見据えた場合にまず取り組むべきは”しっかりと起こっている事を整理し、根本原因を特定し、対処する“という営みです。
本記事の中ではふれませんが、問題分析の方法にも”フレームワーク”と呼ばれる便利なツールや考え方が存在するので、気になる方は是非調べてみてくださいね。
作業の効率化
現在遅れている作業自体を効率化するのも良いのですが、まだ未着手の作業に対して効率化を検討するのもトータルで見ればスケジュール遅延の解消につながるため有効です。
例えば後続タスクで多くのメンバーが関わるであろう作業を前もって標準化しておいたり..今までは自分の手でちょこちょこ頑張っていた作業をフリーツールで行うよう変更したり。
※プログラムが書ける方や、委託が検討できるのであれば作業効率化用のツールが作れないかチャレンジしてみるのも良いかもしれませんね。
資料作成がメイン!という場合においても、例えば誰かひとりが「ショートカット」の使い方を徹底的に覚えて、それを他のメンバーに共有するだけでも作業速度が一気に上がった例を見た事があります。
重要なのは「既に成果が挙がっている作業プロセスをいかに自分たちのプロジェクト全体に適用させるか」です。
些細な変化であっても、関わる人数が多くなれば効果は絶大です。
ぜひ従来のやり方を見直して改善していきましょう。
代替手段の検討
お客様の要望であっても、改めて実現方法を考え直してみるのも良いです。
特に初期段階では「その方法しかない!」と思っていた内容であっても、今になって振り返ってみると「こっちの方が効率は良いし、要望も実現できる」というケースは意外とあります。
要望に限らず、従来必要だと思って取り組んでいた作業自体が、技術が進んだ今では代替できる方法が結構見つかるものです。
(上述のフリーツールの利用などはこれに近い考え方ですね)
ちなみに、苦汁の決断ではあるのですが“メンバーの交代”もある種この方法に該当します。
目的はプロジェクトの成功。
「本人の成長」を見越して難易度が少し高めのプロジェクトであれば見守るのも手ですが、“本人の成長に繋がらないような”高難易度なプロジェクトであれば他のメンバーをアサインする方が本人にとってもプロジェクトにとっても良い結果を生むでしょう。
タスクの削減
計画当初は必要だと思って組み込んでいたタスクであっても、実際にプロジェクトが進む中で不要になったタスクがあるケースも。
スケジュールの遅れが発生するしないに関わらず、定期的に先々のタスクを見直して、「本当にやらないといけないタスクなの?」を見つめ直してみるのも良いですよ。

メンバーの人にも、「不要タスクに気付いたら教えてね!」と伝えておくのが良いかも。
バッファの利用
ここから先の方法は、スケジュールが遅れる原因自体に効果があるわけではないので、あくまでも”一時しのぎ”の方法になる点に注意しましょう。
プロジェクト用語では「資源の円滑化」と呼ばれる方法で、計画上存在しているスケジュールの「余裕(バッファ)」を使って対応する方法になります。
ここで注意したいのは、”バッファを割り当てる要員”です。
同じバッファを使うにしても、可能な限りスキルレベルの高いメンバーにバッファを使用する方が良いです。
スキルレベルが低い..つまりは改善点があるという事。
バッファを使うよりも遅れの原因を追究してスキルアップを図る方が各段に効果はあります。
タスクの並列進行
プロジェクト用語では「ファストトラッキング」と呼ばれる方法で、前後関係のあるタスクを、あえて重ねて並行して進める方法になります。
ITプロジェクトであれば、設計工程が完全には終わっていない状態で、既に設計が完了している箇所から製造工程を始める、といった具合です。
但し、この方法にはデメリットも存在するので注意してください。
本来は前後関係があるタスク。
一見進めても問題なさそうなタスクであっても、必要な作業が全て終わっていないのに後続タスクを開始するという事はそれだけ“手戻り”や”本来不要だったコミュニケーション発生”のリスク発生確率が上がります。
その点を踏まえた上で使いましょう。
資源(人、モノ)の追加
プロジェクト用語では「クラッシング」と呼ばれる手法で、ゆいいつ明示的に追加のコストが発生する方法です。
いわゆる”残業”についても、このクラッシングに近い考え方になります。

“時間”というリソースを新たに投下しているんだね。
残業以外では、例えば次のような事例が当てはまります。
- 新たなメンバーを迎え入れ、テスト作業だけ依頼する。
- 有償のツールを購入し、作業効率を上げる。
新たなリソースを投下するという事は、それに伴って次のようなコストも発生します。
- “時間”を投下して残業を行った場合、疲れによる人的ミスの誘発を招き手戻りコストが発生し得る。
- “人”を投下してメンバーを増やした場合、新規参画者向けの教育コストが発生し得る。
- “モノ”を投下してツールや備品を増やした場合、使い方を覚えるための学習コストが発生し得る。

意外とこういったデメリットがあるにも関わらず、いきなりこの「資源の追加」を最初から選択する人も多いのです。
スケジュールの遅れが発生した時は原則”コストが増加しない方法でなんとかできないか”を考えるのが先決で、もっと言えば“作業プロセス自体が改善され、今後にも繋がる”方法を選択するのが懸命です。
とりあえず間に合えば良い、という感覚でいると、結局また同じ目に合う可能性が高まるので是非注意してくださいね!
まとめ
プロジェクトリーダーはいつでも能動的に問題の原因に臨み、解決策を検討するのが望ましいとされます。
スケジュールの遅れに限らず、プロジェクトを運営する中で発生した問題についてはすぐに誰かを頼ろうとするのではなく、まずは自分たちのプロジェクト内で何か打つ手がないのかを積極的に考えるようにしましょう。
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