プロジェクトリーダーとは?求められる【3つの素養】
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こんにちは、めけです。
(@Meke_korepro)
“プロジェクトリーダー”という役割の名前は、社会人となった方であれば誰しも必ず聞いたことのある名前だと思います。
結論から言えば「特定のプロジェクトを主導し、成功に導く人」を指します。
近年AIやRPAの技術推進に伴う業務の自動化/効率化や、途上国の発展に合わせてプロジェクトの数が年々増加しており、今後プロジェクトリーダーの需要はますます高くなってきます。
出典:総務省|平成24年版 情報通信白書 (soumu.go.jp)
この記事ではプロジェクトリーダーとして活躍したい人向けに、どういった素養が求められるかについてご紹介します。
プロジェクトリーダーとして必要な素養って何?
プロジェクトリーダーが取得すべき資格ってある?
ぜひ参考にしてみてくださいね。
もくじ
プロジェクトリーダーとは?
「プロジェクトリーダー」とは、次の役割を担う人の事を指します。
- プロジェクトチームのメンバーを取りまとめる。
- プロジェクトを計画し、遂行する。

なんだ、そのまんまだね!
そうです、上記を達成できれば十分リーダーとして食べていく事はできます。
..ですが、プロジェクトの規模や複雑性、メンバーを含む関係者の性格や影響力などにより、プロジェクトの難易度は天と地ほどの差が生まれることもしばしば..

思ってるより大変そうな仕事だね..
中にはプロジェクト運営が上手くいかず、気に病んでしまう人もちらほら..という現状がある為、なかなか「リーダーとして頑張りたい!」という気概を持った人は生まれづらいのも事実です。
ただ!
「プロジェクトを管理する = 自ら社会に価値を提供する機会を得る」という意味では、非常に面白い仕事だと感じているので、1人の社会人として是非経験してほしい役割です。
当ブログではそんな”駆け出しリーダーさん”をサポートするべく、PMBOKや海外事例を踏まえたプロジェクト運営の基礎情報や応用情報についてご紹介できればと考えています。
※もちろんベテラン様もご覧頂き、是非お問い合わせフォームからご意見頂ければ幸いです!
(参考)プロジェクトマネージャーやプログラムマネージャーとの違いは?
なかには「プロジェクトマネージャー」や「プログラムマネージャー」、「プロダクトマネージャー」といった似たような名前を聞いたことがある人も多くいらっしゃると思います。
詳細は割愛しますが、簡単な表を作成しておくので参考にしてみてくださいね。
プロジェクトマネージャー(PM) | プログラムマネージャー(PgM) | プロダクトマネージャー(PdM) | |
管理する対象 | 単体プロジェクト | 複数プロジェクト | 製品/サービス |
役割の説明 | プロジェクトの計画、遂行、管理を担う。 | 複数のプロジェクトを統括し、全体の最大利益を追求する。 | プロダクトの管理に責任を持ち、顧客価値を追求する。 |

「プロジェクトマネージャー」は「プロジェクトリーダー」とやってる事が似てるね。
組織によっては兼任もしくは片方しか存在しない、という事もあります。
両方が存在している場合には、プロジェクトマネージャーが”案件全体の状況把握、要員の手配、完了後の評価”に責任を持つ一方、プロジェクトリーダーが”実際の運営”に重きを持つようなケースが多いと言えるでしょう。
プロジェクトリーダーに求められる3つの資質
リーダーに求められる素養として『PMIタレントトライアングル』と呼ばれる考え方があります。リーダーは単にリーダーシップを発揮するだけではなく、その裏付けとなるテクニックや戦略も同時に磨いていく必要があります。 pic.twitter.com/Z1sl1kFVNh
— めけ ➠ 現役マルチプロジェクトリーダー (@Meke_korepro) June 24, 2021
プロジェクトリーダーとして成長していく為にも、まずは次の”3つの素養”を軸にご自身の状況を一度評価してみる事をおすすめします。
- テクニック:プロジェクトを管理する上での基本的な知識を備えているか。
- 戦略:法規則や業界の流れを把握し、プロジェクトの利益を最大化できるか。
- リーダーシップ:顧客や上司、メンバーを導く人間性とスキルを身に付けているか。
それぞれ詳しく説明していきます。
求められる素養①『テクニック』

システム系のプロジェクトであればウォーターフォール型やアジャイル型といった「プロジェクトの進め方」を把握していて、適切に運営する為のスキルやノウハウを備えているかを問われます。
それ以外にも会議の進め方であったり、メールや電話などのコミュニケーションにおける作法や効果的なアプローチ手法といった点も、この『テクニック』として挙げられるでしょう。
特に”プロジェクトリーダーの教科書”ともいえるPMBOKでは、概ねこの『テクニック』が多く記述されています。
求められる素養②『戦略』

業界の流行や組織の方向性を熟知し、法規則や業界標準も踏まえた戦略的なビジネス展開に関する知見を問われます。
プロジェクトリーダーとして一歩を踏み出し始めた頃は、あまりプロジェクトの背景や目的といったところまでは目が届きにくいかもしれません。
しかしプロジェクトが「なぜ生まれたのか」、「お客様はこのプロジェクトを通して何を実現したいのか」を知る事は、プロジェクトの方向性を見失わず、適切に運営する上でとても大切な営みです。

もし確認できるなら、ビジネスケース..言い換えるなら「企画書」を一読してみるといいよ!
近年プロジェクトリーダーに求められる役割も多様化し、ただプロジェクトを運営するだけではなく、「お客様に対して本当に価値のあるプロジェクトなのか」を検討、評価するスキル/ノウハウを求められるケースがあります。
プロジェクトの運営がある程度できるようになった際は、プロジェクトの利益を推測したり評価する手法を学んでみたり、マーケティングや法律に関する知見を深めてみるのも良いかもしれませんね!
求められる素養③『リーダーシップ』

プロジェクト”リーダー”という役割名にもある通り、最も大切な素養はこの『リーダーシップ』だと考えています。
どれだけ技術や戦略を熟知しているベテランであっても、人を惹き付ける魅力に乏しければプロジェクト成功に対する難易度も上がります。
ここで、「インテグリティ」と「利害衝突」という言葉についてご紹介しましょう。

いん..てぐりてぃ?
りがいしょうとつ..?
インテグリティ・・・ "整合性"と"完全性"を意味する言葉であり、「基本に忠実に、常に正しい対応を行っているか」を示しています。 利害衝突・・・ プロジェクトの成果と、個人の利益が相対する状況を示しています。例えば友人だからという理由で案件の採用を優遇したり、自分たちを優遇してもらう為に賄賂を渡したり..といった状況が該当します。
プロジェクトリーダーは、自分の名誉や利益の為に行動しないよう心掛けるのはもちろんですが、”特定の個人/グループの味方にならないようにする”事も非常に大切です。
よく勘違いされやすいのですが、「私は必死に頑張っているメンバーを守る為に、顧客の要求を取り下げた」や「お客様の要望は絶対なので、メンバーになんとかするよう指示をした」といった状況は、残念ながらインテグリティには欠けた行為になります。

プロジェクトにとっては良いことじゃないの?
確かに、メンバーの負荷は軽減”してあげたい”と思う側面もあれば、お客様を満足”させてあげたい”と思う側面があるのは事実です。
ただし、ここで問題なのは「最初から誰かの味方になってその後の行動を決めてしまっている」点にあります。
理想論にはなってしまうのですが、プロジェクトの成功は本来「お客様も、自身の組織も、プロジェクトのメンバーも、全ての関係者が満足した結果を実現できること」になります。
上述の例では、「お客様こんな事がしたいと言っているけど、コスト/スケジュール/利便性などの視点から考えた場合に、本当にお客様にとってもメンバーにとっても望ましい結果が得られるのか?」をしっかりと考え、提案する姿勢がプロジェクトリーダーには求められます。
プロジェクトそのものに限らず、そこに関わる全ての人を主導して成功へ導く..そんなリーダーが今も多くの場所で必要とされています。
プロジェクトリーダーが取得すべき資格は?
画像引用元:
IPA 独立行政法人 情報処理推進機構、
Project Management Institute | PMI、
日本PMO協会 – 日本PMO協会|NPMO
プロジェクトリーダーとして取得しておかないとダメ!という資格は実のところありません。

「私は今日からプロジェクトリーダーだ!」って名乗っても問題ないの?
問題ありません。
上記で述べてきた通り、本人にリーダーを担うだけの素養が備わっているのであれば、特に資格を必要としないのがこの役割です。
ただ、取得する事で権威性を高めたり、プロジェクト遂行に必要な知識を学ぶ事ができる資格はいくつか存在しています。
- NPMO主催の「PMOスペシャリスト認定資格」:
プロジェクトリーダーというよりは、それを支援するPMO(Project Management Officer)向けの資格となりますが、業界に縛られない汎用的なプロジェクトマネジメント知識を養う事ができます。難易度は比較的易しいというお話も。 - PMI主催の「PMP®」:
PMBOKを主体とした資格試験で、PMOスペシャリスト認定資格同様に業界に縛られない汎用的なマネジメント知識を養う事ができます。日本ではそれ程知名度は高くない印象ですが、海外のプロジェクトリーダーは当たり前のように取得を目指す資格のようです。学習範囲は多岐に渡り、難易度も比較的高めです。(費用も高い..) - IPA主催の「プロジェクトマネージャ試験」:
日本国内ではPMP®よりもこちらの方が有名かもしれませんね。試験の仕組み上、ITに関する知識も避けては通れない資格ではありますが、プロジェクトリーダーとして十分な素養を備えているかを推し量る高難度の資格になります。人によってはプロジェクトマネージャ試験の方が、PMP®よりも難しく、評価も高い、と言われますが、実態は分かりません。(私個人は両方の資格を保有していますが、PMP®の方が取得に時間がかかる上、難しい印象はありました。直前に応用情報技術者試験を通過している関係で、ITに関する問題についてはそれ程苦ではなかった点も挙げられるのかもしれませんが..) - 業界独自の資格:
これはご自身が関わっている業界ごとに異なる為、詳細は割愛します。建築関連であれば「宅地建物取引士」、電気工事関連であれば「電気工事士」、IT関連であれば「DBスペシャリスト」や「基本情報技術者」などですね。
まとめ
「プロジェクトリーダーは難しそうで、責任の重たそうな仕事」と思われがちですが、今は各組織でいろいろなガイドラインやテンプレートも用意されており、一人で全てを抱え込んで仕事を進めるような時代ではないので、もう少し気は楽に構えて頂いても良いかと思います。
お客様に必要な価値を届ける為、もちろんある程度の責任は負うことになりますが、それ以上に“自分で何かを創り上げていく過程”は本当に面白く、やりがいのあるお仕事ですよ!
少しでも多くの新社会人や新任リーダーさん、既にご活躍されているベテランさんにプロジェクトマネジメントに関するヒントをお届けできればと考えているので、これからも是非応援して頂ければ幸いです。
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