リーダーの心理学【関係構築で使いたい5つの心理効果】
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こんにちは、めけです。
(@Meke_korepro)

メンバーやお客様ともっと効果的なコミュニケーションが図れたら良いんだけど..

基本的なプロジェクト管理技術も大切だけど、心理効果も気にしてみると良いかもね。
メンバーのモチベーションを高める、お客様や上司の信頼を獲得する、要件定義を始めとした打ち合わせを有利に進める..
スコープマネジメントやスケジュールマネジメントなど、基礎的なプロジェクト管理技術を身に付けるのも有効ですが、ときには他の分野が役立つことも。
この記事では『プロジェクトリーダーが知っておきたい心理効果(関係構築編)』を実践例と合わせて紹介します。
プロジェクト管理を行う上でのコミュニケーションスキルを高めたい。
顧客やメンバーとの関係構築に使えそうな心理学スキルを身に付けたい。
もくじ
関係構築で使いたい心理効果BEST5

まずは実践例を紹介する前に、対象となる心理効果を一覧にまとめてみました。
名称 | カテゴリ | どんな効果? |
ザイオンス効果 | 関係構築 | 同じ人や物、思想に何度もふれていると、無意識に好感度が上がる心理効果。 |
ミラー効果 | 関係構築 | 同じ振る舞いによって親近感や安心感を与える心理効果。 |
ハロー効果 | 関係構築 | その人の外見や垣間見えた性格が、その人全体の評価として認識される心理効果。 |
バーナム効果 | 関係構築 | 万人に当てはまる特徴をいくつか提示し、あたかも自分に当てはまっているかのように錯覚させる心理効果。 |
勝者の呪縛 | 関係構築 | 要求がすんなり通ると、却って不安や物足りなさを感じてしまう心理効果。 |
心理効果を使った実践例

ここからは、それぞれの効果について「プロジェクトを運営する中でどう使えるのか?」を紹介します。
ザイオンス効果
同じ人や物、思想に何度もふれていると、無意識に好感度が上がる心理効果です。
特に営業の方は意識して実践されている方もいらっしゃるかもしれませんね。

CMとかで同じ商品を何度も目にしていると、いつの間にかその商品が気になってたりするもんね!
実践例① 要件定義の期間中、打ち合わせで何度も同じ担当者どうし顔を合わせたり、電話で様子を伺う。 実践例② 商品やサービスが本番運用を迎えた後、定期的に状況を伺う。 実践例③ 採用したい内容を前もって何度も話に出しておき、最終決断の場に備える。
ミラー効果
同じ振る舞いによって親近感や安心感を与える心理効果です。
刑事ドラマで犯人の事情聴取を行う際など、時々使われていたりするテクニックです。
実践例① 機嫌が良くない上司と話し合いをする際、上司の姿勢やしぐさをそれとなく真似てみる。 実践例② 初対面のお客様との打ち合わせで、相手の声のトーンやスピード、"間"を真似て話をする。 実践例③ メンバーとの面談で、相手の表情やテンションを真似て話をする。
ハロー効果
その人の外見や垣間見えた性格が、その人全体の評価として認識される心理効果です。
比較的有名な心理効果なので、名前は聞いたことがある人もいるかもしれませんね。
基本的には関係構築の”初動”で用いるものであり、ある程度関係が構築できている人に対しては見掛け倒しになるので控えましょう。
実践例① 仕立ての良いスーツを着たり前髪を上げるなど、外見の印象を変えて打ち合わせに臨む。 実践例② 渡す名刺の肩書で、いかにも仕事ができる人をアピールする。 実践例③ 顧客との雑談の場で、自分の良いエピソードをさりげなく共有する。
バーナム効果
万人に当てはまる特徴をいくつか提示し、あたかも自分に当てはまっているかのように錯覚させる心理効果です。
「あなた、いつも凄く頑張ってるよね。」とか「(B型の人に対して)マイペースな性格だったりする?」とか、概ね当てはまっていそうな特徴がいくつも並べられると『わたしの事をよく見てくれている!』と好印象を与える事ができるかもしれません。
こちらも先程と同じく関係構築の”初動”で使えるテクニックになります。
なお、「二面性提示」といって良い点と悪い点を同時に伝えることでより効果は高まります。
実践例① プロジェクトの中心となる人物と初顔合わせをする際、「いつも周りから頼られてそうですよね。」といったように伝える。 実践例② 関係の浅いメンバーに対し、「ちょっと頑張りすぎ(改善点)なところはあるけど、いつも真面目に仕事に取り組む(評価点)ところが凄く素敵だと思うよ。」と伝える。
勝者の呪縛
要求がすんなり通ると、却って不安や物足りなさを感じてしまう心理効果です。
『5,000円値下げしてくれませんか。』といった要求に対し「あ、いいですよ。こちらに契約印をお願いします。」といったように、すぐにOKを出してしまうと『(あれ、もうちょっと値下げできたのかも..)あ..はい..わかりました。』と不満を生じさせてしまう危険があります。
商談の場においては非常に注意すべき観点だと思いますが、プロジェクトを管理するリーダーにとっても”要求管理”という側面で重要です。
実践例① 要件定義の中で要件が膨らみそうだと感じた際、一部の要件について「これは..ちょっと難しいかもしれないので一度持ち帰って確認しますね。」として期間を空けるなど渋る様子を見せておく。 実践例② いつも要求がエスカレートしやすい上司に対し、「分かりました。ただ、こちらは私には難しい内容かもしれませんので、一度よく考えて後ほどご回答します。」と対応が難しそうな素振りを見せておく。
利用時の注意

心理効果を用いる際は、下記の点に注意して利用するようにしましょう。
悪用はしない
今回ご紹介した心理効果は、あくまでも「相手との関係を良くする」または「相手との関係を保ちながらも無理はしない」ことを目的としています。
“自分たちが有利になるように”といった考えで心理効果を用いるのは、リーダーとして避けるべき”利害の衝突”にも該当する可能性があるので注意しましょう。
良い方向で使う
たとえば誰か落としめたい人がいる場合、その人を誰かに紹介するタイミングで「この人、実は□□(悪い側面)もあるんですけど、きっと大丈夫です。」とさりげなく評価を下げることで”あまり良くない人”のイメージを相手に抱かせるなど、心理効果は使い方によってはマイナスの効果を生む場合があります。
マイナスの効果を生む目的で使用する時、その瞬間はあなたに利があるかもしれません。
ただ、後になって必ずあなたが”損”をすることに繋がるので絶対にやめましょう。
心理効果はプラスの効果を生むために使うべきです。
まとめ
いかがでしたか?
コミュニケーションが9割ともいわれるプロジェクト管理において、心理効果は使いようによって強い味方になってくれる事があります。
積極的に取り入れながら、上手にメンバーや顧客との信頼を育てましょう。
この記事が参考になった!という方は是非コメント、フォロー頂ければ幸いです。