人は”目的”に動かされる!【ゴールデンサークルのススメ】
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こんにちは、めけです。
(@Meke_korepro)
2009年9月頃に公表されて以来、今でも色褪せることのないTED講演があります。
リーダーや企業、非営利団体に対して「人びとをインスパイアする方法」を伝授してきたコンサルタント。これまでアメリカ連邦議会議員、外交官、国連、国防省、マイクロソフト、アメリカン・エクスプレスなどでWHYを伝授してきた。2009年に公開されたTEDトークの動画は、世界で4000万回以上再生され、大きな呼題を呼んだ。
サイモン・シネック|プロフィール|HMV&BOOKS online
ゴールデンサークルって何?
メンバー育成どうやって応用するの?
ぜひ参考にしてみてくださいね。
もくじ
ゴールデンサークルとは?

「ゴールデンサークル」とは、「”ナゼ?”から人に訴えかける事で、より人の心に響く物事の伝え方ができる」という考え方を上図の通り図式化したものになります。
TED講演動画内では、Apple社やライト兄弟が富や名声に流されず、「ナゼ=目的」を礎に置いて人々に自分たちの思っている事を伝えてきた事が成功の要因であると説いていますね。

ここで重要なのは、その礎に置くべき「目的」の特徴です。
世界規模や会社規模の話でなくとも、このゴールデンサークルは日常のちょっとしたコミュニケーションの場においても非常に重要な考え方になるのですが、人によっては「ちゃんと目的から話してるよ!協力してよ!」と呼びかけてしまう事があります。
もちろん「私益がダメ」と言いたい訳ではなく、“みんなが求めているメリット=公益”が目的になる方が人は納得しやすいです。

人の”納得感”を得る為には、その人の価値観にあった目的が必要なんだね!
キャズム理論に見る「賛成多数」の難しさ
少し本旨を外れますが、ゴールデンサークルを用いてコミュニケーションを行う上での前提知識になる為よろしければご覧ください。
イノベーター理論とは?

上図は「イノベーター理論」と呼ばれる、「製品やサービスに対する消費者の分類」に関する図です。
新しいアイデアや技術が社会になぜ普及したりしなかったりするかや、どのように普及するかを説明しようとする理論である。
普及学 – Wikipedia
新製品やサービスが市場に登場した際、イノベーターは真っ先に食いつきます。
プレイステーション5の予約販売が開始する直前から”予約ボタンを連打”し始める猛者です。
(筆者はダメでした)
後追いですが、比較的早い段階で次に食いつくのがアーリーアダプターです。
「新しいモノは好き!..でも一応機能は確認してから買おう」とイノベーターと比較すれば少しだけ慎重派です。
ただ新しいモノや考え方の採用に対しては非常に積極的で、賛同を得やすい層といえますね。
対してアーリーマジョリティーの方々は非常に慎重派です。
もしくは「欲しいけど、もっと安くなってから買おう」というタイプですね。
プレイステーション5に関しては定価55,000円どころか価格.comで80,000円台ですが、中古でも良いから20,000円~30,000円くらいになってから欲しいな、という私みたいな人です。
(最近キレイで大きなテレビに買い替えたので、そのうち遊んでみたいなあ..)
レイトマジョリティーの方々は、「周りの人たちがみんな良いって言ってるし、そろそろ変えても良いかな」と腰が重いタイプです。
最後のラガードについては、「それが世間的に使えなくなってしまったから、仕方なく変えた」という方々になります。
ブラウン管テレビも今でこそギリギリ修理業者が存在している為、完全になくなってはいませんが、「修理業者もいない」「修理に必要なパーツがそもそも流通していない」となれば液晶テレビや有機ELテレビに変えざるを得なくなります。

“モノ持ちが良い”のは凄いけど、それによって電気代が高くなったり、大切な時間を失ってしまっては本末転倒な気がするね..
キャズム理論とは?
イノベーター理論と合わせて紹介される事が多いのが「キャズム理論」です。
ハイテク業界において新製品・新技術を市場に浸透させていく際に見られる、初期市場からメインストリーム市場への移行を阻害する深い溝を「キャズム(Chasm)」と呼び、従来のイノベーター理論における「普及率16%の論理」を否定したマーケティング理論のこと。
キャズム理論 – MarketingPedia (マーケティング用語集Wiki) (marketingis.jp)
理論上は”ハイテク製品”が対象となっている考え方で、新しいモノに対しては最初から前向きな「イノベーター / アーリーアダプター」に対し、良し悪しを判断してから取り入れる「アーリーマジョリティー」の間にある大きな隔たりを示します。
「イノベーター / アーリーアダプター」は市場全体の15%に過ぎず、継続的な成功に結び付ける為には「アーリーマジョリティー」以降の心をいかに掴めるかが重要となります。

サービスの場合は「イノベーター / アーリーアダプター」がリピートしたいと思える内容になっているかも大切だね!
「キャズム」を超えるには?
キャズムを超えて「アーリーマジョリティー」を取り込む為には、下記のような方法が議論されています。
- 「アーリーマジョリティー」に対して直接広告等で呼びかけると共に、アンケート等で情報収集を行う。
- より直感的に分かりやすい機能や仕組みの採用に加え、価格低減の努力を行う。
- ターゲットを極力絞り、キャズムの隔たりが狭いニッチ市場で勝負する。
ここでは製品やサービスを対象にした考え方となりますが、次からプロジェクトマネジメントへの応用を考えてみます。
ゴールデンサークルを用いたコミュニケーション術!
前述の通り、「アーリーアダプター」と「アーリーマジョリティー」の間には大きな隔たりがあるお話をしましたが、これはモノやサービスに関わらず、意見やアイデアについても同じ事が言えます。
特に”1つのプロジェクト”という閉じた世界においては、物事の進め方(=プロセス)を決めるに際しても、メンバーや他社員の賛同は欠かせません。

ここで役立つのが「ゴールデンサークル」だね!

先の「キャズムを超える方法」をコミュニケーションに応用すると..
- 上司やメンバーに対し、「その方法が“誰に”、”どういった点で”嬉しいのか」を伝える。また意見やアイデアに対するフィードバックを求める。(もちろん総合的な判断ができるようにデメリットも上手に伝えてくださいね)
- 意見やアイデアをよりシンプルで理解しやすい形に整え、また採用されやすくなるよう実例を集めたりサポート体制をつくる。
- いきなり全体で始めず、一部もしくは限定されたメンバーで始め、その後採用する範囲を広げていく。
せっかくの良い意見やアイデアが埋もれてしまわないよう、「なぜ自分はそうすべきだと思ったのか」をしっかりと相手に伝え、表面的ではない味方をたくさんつくりたいですね!
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「目的意識」という言葉は誰しもよく聞いた事があるかと思いますが、「時間がないから..」「面倒だから..」といった理由で度々「目的」は省略されがちです。
もちろん「目的」が理解できていなくても仕事は進みますし、それによって対価が貰えるなら問題ないよ!という考えも否定はしないのですが、どうせ物事に臨むのであれば「なぜそうした方が良いの?その理由ならこうしてあげる方がより良い結果に繋がるかもね!」と前向きかつ積極的に進めたいですよね!
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