【誰でも簡単!】部下やメンバーをやる気にさせる褒め方&叱り方&励まし方
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こんにちは、めけです。
(@Meke_korepro)

他人を褒めたり叱ったりするのって苦手..ましてや落ち込んでる人なんてどうやって励ましたらいいの!?

褒める、叱る、励ます。それぞれが得意としている内容の範囲があるよ。
仕事で部下やメンバーを褒めたり、何かに失敗して落ち込んでいる人を励ましたり..はたまた家庭では子どもをしつける為に叱ったり。
日々誰かの行動に対して様々な関わりを持つ必要がある中で、「あれ?これって相手に伝わってる?」と不安を感じる事もしばしば。
この記事では褒める、叱る、励ます、という3つのコミュニケーションについて具体的にどういった点を扱うべきなのか、その効果を上げる為にはどんな工夫が必要なのかを紹介します。
仕事上で誰かの教育や指導を担っている。
褒め方や叱り方、励まし方にいつも悩んでしまう。
もくじ
何を褒める?叱る?励ます?

ここでは、アメリカの心理学者「フリッツ・ハイダー」氏が提唱した『帰属理論』をベースに褒める、叱る、励ます時に使える内容を考えます。
まずはより相手に近いところ(内的帰属要因)から遠いところ(外的帰属要因)から次のように5つの要因を定義します。
↑内的帰属要因↑
要因 | 効果的な用途 | 説明 |
存在 | 励ます | 相手がこの場にいるという事実そのもの |
価値観 | 褒める | 相手の考え方や信念としてもっているもの |
スキル | 褒める | 相手の知識や技術といったできること |
行動 | 叱る | 相手がその時に起こした行動そのもの |
状況 | 叱る | 相手をその時に取り巻いていた環境や状況 |
↓外的帰属要因↓
上の表に示した通り、褒める、叱る、励ます、というそれぞれのコミュニケーションには、得意とする要因があります。
基本的には「褒める」はより相手に近いところを扱い、「叱る」は相手から遠いところを扱うのが良いでしょう。

ただ褒めるだけなのに『あなたがいてくれるだけで最高だよ!』と言われるのは少し違和感があるから、「存在」は褒める時にはあんまり使わなさそうだね。
誰かを”励ます”という行為は、ある種その人を”褒めて立ち直らせる”という捉え方もできる為、褒める時に使える要因は励ます場合にも使えます。
ただ、「どうせ自分なんていなくても..」とひどく気持ちが沈んでしまっている方に対しては「存在」を受け入れるのも効果的です。
褒め方
褒める時は相手の「価値観」や「スキル」を認めるのが効果的です。
『資料作りひとつとっても細かな配慮を忘れない心構え、私は凄く良いと思う。お客様も喜んでたよ。』 『この技術に関する知識はあなたが一番あると、私は感じているんだ。周りのメンバーも凄く頼りにしているみたいだから、これからも任せるよ。』
まずは偽りなく相手の事を認め、こちらの感じている事(Iメッセージ)を伝える。
可能なら自分以外の人の意見や、背中をポンっと押せる一言が添えられるとなお良いでしょう。

「状況」を褒めるのは確かに違う気がするけど、なんで「行動」は入らないの?
多くの場合、確かに「行動」を褒めて終わるケースがよくあります。
『今月もノルマ達成か、凄いな!』 『掃除してくれたの?えらいね!』
関係がまだ浅いうちはこれでも良いのですが、ある程度関係が構築できてからの場合はもう一歩踏み込んでみる方が、より信頼を育む事ができると筆者は感じています。
叱り方
叱る時は相手の「行動」や「状況」に言及するのが効果的です。
『お客様から持ち掛けられた相談を、スケジュールのみを気にして断ってしまったみたいだね。少し残念..私は相談内容をまず聞いてみて、今回のプロジェクトで本当に必要なのかを一度冷静に考えてみるのも良かったとは思うけど、あなたはどう思う?』 『資料準備の漏れは、今回で5回目だけど改善はできそう?確かに、これ以上繰り返してしまうと「もうあなたにはお願いしません!」という人も出てきてしまうかもしれないから早急に原因と対策を考えてみるのが良いと思う。もしひとりで考えるのが難しそうなら一緒に考えるけど、どうする?』
時々、感情に身を任せて相手の「スキル」や「価値観」、最悪の場合「存在」まで否定してしまう方がおられます。
『この商談が失敗したのは、君の説明力が足りないからだよ。本来あの時..』 『どうせ遅れてもなんとかなると思ってるんじゃないか?それだから..』 『全部お前のせいだ!いつも失敗ばっかりだよな!何ができるんだよ!』
確かに、次に同じ失敗を起こさない為には、「スキル」や「価値観」を改善する事は必要不可欠です。
ただこれは他人から指摘すべき内容ではなく、本人自身が気付いて取り組むべき課題です。
こちらがすべきは「スキル」や「価値観」の見直しがしやすいよう”きっかけ”を与えること。
「行動」や「状況」を切り口に、相手に“成長してほしい、頑張ってほしい”というこちらからのメッセージを上手に伝える事が必要だと考えています。

たとえ信頼関係が築かれていたとしても、内面を指摘されるのは不快と感じる人も多いもの。アドバイスしたくなる気持ちは分かりますが、そこはぐっと堪えて相手と伴走する気持ちを持ちましょう。
励まし方
励ます時は相手の落ち込み度合いによって範囲を変えるのが望ましいです。
それ程深刻ではない場合は「スキル」や「価値観」を受け入れるだけで十分ですが、深刻な場合は「存在」を受け入れる事も視野に加えてみましょう。
『私たちもあなたのデザイン力の高さは認めている。大丈夫。次はお客様にも気に入ってもらえると信じてるよ。』 『相手を嫌な気持ちにさせたくなくて、言わないでおいてくれたんだよね。私はそういう想いに共感してるよ。』 『..そんなに思い詰めてたんだね。私含め、あなたがいてくれると安心する人はたくさんいるよ。今は難しいかもしれないけど、落ち着いたらまた相談してほしい。いつでも歓迎するよ。』
ちなみに、誰かを励ます場合には「その後の改善案」はいったん置いておく方が無難でしょう。
落ち込んでいるのに「次はこうしてみようよ!」「ここを改善すれば大丈夫だよ!」と矢継ぎ早に言われても、気持ちの整理がつかないままでは応じてくれないケースが多いです。
本人に周りの意見を聞く余裕ができた時、改めてこれからどうするかを一緒に考えるのが大切です。

なんだか、”励ます”って”褒める”と”叱る”の両方の要素が重なっているみたいだね。
励ます必要が生じるという事は、その前に何かしらの失敗や後悔をしているケースが多いのです。
褒める事で一度気持ちを安定させ、その後で失敗と向き合って未来を見据え(優しめの”叱る”ですね)、改めて本人を褒める事で改善への意欲を継続させる。
「サンドイッチ話法(良い話→悪い話→良い話)」を長期目線で捉えた場合の応用です。
さらに効果を上げる3つの取り組み
褒める、叱る、励ます。
これらを相手にとってより印象深くする為にも気にしておきたい事が3つあります。
日頃から細かなコミュニケーションを図る
どれだけ良い言葉で褒めたり、叱ったり、励ましたりできていたとしても、その言葉が相手に受け取ってもらえるかは”信頼関係の度合い”に依存します。

この人の事ちょっと苦手だな..という人からもらう言葉には、やっぱり心のどこかで距離を置いてしまうもんね。
褒めた時に『この人に褒めてもらえるなんて、本当に嬉しい!これからも頑張ろう!』
叱った時に『この人から言われるなら仕方ない。しっかり自分と向き合って、次は良いところを見せよう!』
励ました時に『この人から言われるとなぜか安心する。うん。頑張れそう。』
そう思ってもらう為には日常的にコミュニケーションを図ったり、必要な場面で適切なフィードバックを心掛ける事が不可欠です。
相手が心を開いてくれている状態でないと、言葉は思うように伝わらない事を心得ましょう。
目を見て話す
恥ずかしさや、忙しさなどで目をそらしたまま言葉を伝えるのはNGです。
これは褒める、叱る、励ますに限らずですが、誰かに何かを伝える際には相手と向き合って話をするのが大前提。
ながらで伝えられた言葉ほど響かないものはありません。
言いっぱなしで終わらせない
とりあえずスキルや価値観を褒めただけ。行動や状況を叱っただけ。励ましただけ。
もちろんこれだけでも相手にとっては意味はあるのですが、可能であれば相手のその後につながる一声があるとなお良いでしょう。
『次も期待してますね。』 『これから頼りにしてるよ。』 『改めて、本当にありがとう。』
伝えた言葉がより相手の行動や考えに結び付きやすくなるように、ちょっとした後押しを考えたいものです。
まとめ
いかがでしたか?
褒める、叱る、励ますのが苦手という人は意外にも多いもの。
今回のお話を通じて少しでも苦手意識が薄れてくれていると凄く嬉しいです。
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